「乳幼児期の家庭教育セミナー」

2023年6月10日

2023年6月1日

よしだみなみようちえんでは「乳幼児期の家庭教育セミナー」が開催されました。

鹿児島国際大学教授「千々岩弘一(ちぢいわこういち)」先生を講師にお招きして、【ことばが育てる資質・能力】というテーマでお話して下さいました。

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保育の現場はもちろんですが、わが子と交わす日常の何気ない「ことばのキャッチボール」。

だからこそ「ことば」の中に価値観や感性が表現され、小さい時期の子ども達の「育ち」への影響も大きいと改めて感じる時間となりました。

保護者の方も、千々岩先生の資料にたくさんメモをとられていました。

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私たちが日常的に交わしている子ども達との「対話」。

1つ1つの言葉の表現や、何気なく使っていた言葉も子ども達の人格形成に大きく影響していることを実感しました。

「うわっ、めっちゃきれい」「やばっ」「うまっ」「すごっ」

など近代では表現が簡略・多様化されることにより表現力の乏しさや語彙の少なさは「記憶」する力とも大きく関連しているとの事でした。

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また、講演の最後には「非認知能力」を育む「ことば」として大切なことを教えていただきました。

1つは「肯定的なことば」をかけることでした。子ども達も大人もですが、自分のことを誉めてくれたり評価してくれる声掛けをされると、とても嬉しいものです。

「よし!もっと頑張るぞ!!」→肯定的なことばは「自信や自己肯定感」を高めてくれます。

家庭でも、お子さんの「出来ない事や苦手なこと」にスポットをあてるのではなく、「新しく出来たこと、出来なかったけど挑戦したこと」などに対して肯定的な言葉かけを

心がけることが大切かもしれませんね。あなたが紡ぐ言葉が「その子の未来をつくる」と言っても大げさではないような気がします。

 

最後の1つは「考えることを促すことば」でした。

私の個人的な感覚ではありますが「教育熱心な親」ほど、お子さんに「~しなさい!!、~したの?、~してはいけません。」などの声掛けが多い気がします。

そういう子はいつも指示されて動いているので「考える」という思考をなくしてしまいます。

「考える」という種を奪われた子ども達は、指示がないとなにも行動することができなくなります。常に親がコマンドを入力しなければ動きません。

そうではなく「~ちゃんはどうしたらいいと思う?」「~くんはどうしたいの?」と「問いかける」ことが大切です。

大人は答えを知っています。だけど教えるのではなく、その答えを探し出す行動、つまり子ども達が「考える」にはどのような「問い」をなげかけるのかが重要だと感じています。

現在の子どもたちが生きる社会はAIやIotが多様に活躍する時代です。

そんな時代をたくましく生きる力は「創造力や豊かな思考」と言われています。AIに出来ない力とはなんでしょうか?

その力は日常の「考えることを促すことば」に隠されている気がしてなりません。

 

千々岩先生、大変貴重なお話をありがとうございました。
心から感謝申し上げます。

吉田南幼稚園 園長(橋口)

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