体力測定をしました
2020年6月16日
平成24年から8年間に渡り228人の卒園児の体力測定を行なっています。
今年で9年目。幼児期の体力測定はあまり聞きなれないかもしれません。
吉田南幼稚園が行なっているというよりも、私(副園長)の興味関心から継続されてきた事だからです。

日頃から子ども達と毎日接していると、私自身、色々な力が養われてきます。特殊能力ではないですが、日常的にある風景や子ども達の様子に少々敏感に反応するようになっています。
例えば園庭で走る子どもたちの姿をみていると、膝の動かし方や上半身の使い方を真っ先に見てしまったり。
靴箱においてある子どもたちの運動靴、室内シューズのソールがどのようにすり減っているかを無意識に見てしまったり。
そして、その運動機能がどのような場面で活かされているか。
優れた運動能力を持つ子の共通点や世帯構成、またその力がどのような所で長所を活かすことが出来るのか。
保育活動に中々集中できない子はどのような身体の特徴があり共通点があるのか。
幼児期の男児、女児の遊びや特性がなぜ、このように異なるのか。など。
言い出すときりがありませんが、抽象的な言葉ではなく体力測定を通して子どもたちの身体の成長を知ることで、園庭の遊具や環境設定に活かしています。
数値化された測定結果は蓄積されると、ある共通点を持ち、そしてその共通点が課題となり、普段子ども達が生活する環境に活かされているのです。

体力測定は全部で6種類。
ボール投げ
立ち幅跳び
両足連続跳び
補球
体支持
25m走
こちらの写真は体支持持続といい、手で体を支え、どのくらいの時間保てるかを測ります。今回もっとも長い時間持続できたのは女の子。時間は2分47秒。(167秒)
これは非常に優れた力を持つ子です。
逆を言えば3秒しか出来ない子もいました。
そして極端に長い時間継続できた子、またその反対として極端に測定時間が短かった子では色々な要因が推測されます。
これまで200人以上測定をしてきたので両者の共通点は分かっています。
私はこの極端に短かった子達の運動機能を向上させることこそ、その子の今後の将来において非常に重要な役割であると考えています。

外見的な身長体重は時間の経過と比例して大きくなっていきますが、運動機能の基礎(ベース)はこの6歳までの時間が非常に大切です。
幼児期の子ども達のみならず小学生12歳までの運動指導を10年近く行ってきたので、この6歳までの運動や遊びが今後いかに重要かを痛感しています。幼児期に私達が関われる時間は本当に大切です。
今後の心身の発達、そして学習面へも大きく影響するのです。

今、子ども達と関われる時間。たくさんの力を「あそび」を通して習得していってもらいたいと思います。

コロナウイルスの影響で測定時期が例年より遅くなりました。
また梅雨入りの為、全種目の測定は行えていませんが、年長児さんは今後の天候とにらめっこしながら測定を行っていきたいと思います。
上記で述べた通り、今子ども達が生活している園庭環境は現在の中学生年代の測定結果を基に構成されています。
そして、今測定している結果はこれから産まれてくる未来の子ども達の環境構成に活かされる事となります。
時代は違っても、保育は長年に渡り繋がっていて連続している。
成長が継承される。そんな事を素敵な事と感じ、保護者の皆様へも
ご理解頂ければ嬉しく思います。